~ちょっと面白い風呂敷のはなし~
知っているとちょっと面白い。
酒の肴に、ちょっとした博識ぶりを披露したいときに・・・
思わず「へ~」と言いたくなる風呂敷の豆知識をまとめました。
風呂敷の素材やサイズについて
風呂敷には様々な素材が使われています。
全ての風呂敷に共通して言えることはものを包むこと。
小さいなサイズでは金封などを包む小さな風呂敷(ふくさ)今では金封袱紗の方が一般的かもしれませんが、
風呂敷はおおよそ 約40cm程度のものから六巾(むはば)約200cm(布団などを包む)のものまで多く使われてきました。
※風呂敷サイズについてはこちら 需要と供給のバランスで150cm程度のものまでが現在は通例です。
風呂敷は、大切なものを大事に包む(贈り物やお金)だり、大事なものの埃除けや日焼けを防いだり、汚れないようにしたり、運搬具として活用されてきました。
皆様が一番風呂敷のイメージに近い泥棒が持っているイメージの強い唐草風呂敷※右の図
実は泥棒が使っていたというより、唐草模様は蔦がつながっていてキレない
縁起がいいということでどこのご家庭にも一つは必ずあり、
泥棒は何も持たないで家に忍び込みその家の家財道具と一緒にその家の唐草風呂敷をもって出て行ったというのが一般的な説です。
なお唐草風呂敷をもって運搬している人がたくさんいたので、
泥棒かただ単にものを運んでいる人かわからなったというのです。※諸説あり
ちなみに風呂敷で一般的な綿のシャンタンという織り方の風呂敷については、中国山東(サントウ?シャンタン?)地方から急激に広まったのも
織り方が日本になかったものでさらに丈夫であったからといわれるのは運搬具の要因だからと言われています。丈夫で取り扱いがしやすい。
そんなところも風呂敷が重宝された理由かもしれません。
ということで風呂敷もは、綿布の風呂敷がほとんどで高級なものは絹をつかっておりました。
今では一般的なポリエステルなどの合成繊維はポリエステルは、1941年に英国で、天然繊維である羊毛を代替するものとして開発された。またポリエステルの基本特許は1946年に成立している。日本では1957年に東レと帝人が共同で、ポリエステルの特許実施権を持つ英国ICI社との技術援助契約を締結した。これにより、ポリエステルの工業化の歴史が始まった。※公益社団法人発明協会より
http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00081&age=stable-growth&page=keii#:~:text=%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E3%81%AF%E3%80%811941%E5%B9%B4%E3%81%AB,%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82
京都のれんでは、綿素材とポリエステル素材と正絹の風呂敷をお作りしています。
まだ歴史が浅いポリエステル素材は、綿素材と比べると軽量で、小さく折りたたんだり、丸めたりしてもシワにならないので、
普段のバッグの中や旅先でトランクに一枚入れておくのもおすすめです。
また当社では環境に配慮して99%リサイクル素材を使ったエコイストという風呂敷も取り扱っております。
スカーフ替わりに使いたいお声も頂き、フラットクレープ(正絹)の風呂敷のようなスカーフのような生地も取り扱い始めました。
風呂敷とハンカチの違い
風呂敷をハンカチとして使えますか?
というご質問を頂戴することがあります。
スマートにいうと吸収性があるかないかが一般的な結論です。
但し50cm以下やスカーフの代用につかえるものは吸水性や肌触りを大切にするのが一般的です。
当社でいうと綿の50cmサイズはブロードという綿の風呂敷にスカーフに代用できるのは絹の天然タンパク質の
素材といった具合です。
風呂敷は日本人らしい?
風呂敷の最も素晴らしい特徴とは何でしょうか。
ずばり!包むものを選ばないということでしょう。
四角いものだけではなく、丸いものでも、長いものでも。
布の大きささえ合わせれば何でも包めてしまう。
それが風呂敷の一番の特徴であり、カバンとの大きな違いです。
包むものを選ばない。何がきたってどんとこい。
そんな懐の大きな風呂敷。
日本人は元々農耕民族です。
狩猟民族のように動物と戦うといったように、自然と戦うことはできません。
自然のありのままを受け入れ、災害などにも対処し、自然の恵みに感謝をしながら
生きていくそんな要素もこの風呂敷が生まれるきっかけになったかもしれません。
それは控えめでありながら、しっかりと自分の仕事をする。
そして、実は新しいものを積極的に吸収し、元来の勉強熱心さで自分のものにする。
そんな日本人らしさに通じるものがあるような気がします。